父との関係

エスちゃん。
父との関係、
そのなかで経験したあり方が
ここまでたすけになってくれるとは思わんかったわ。


クソみたいな知覚。
お互いの腐った内臓を出し合って、
なおも同じ空間にいる、
そこにとどまっているとき。

もう何が出ても驚かんし、
沈黙も怖あない。

ただ呼吸して、
同じ空間におる。

もう「相手にたいして」どうこうせなあかんというのがない、
いい関係を築かな、とかもない、
そういう状態でとどまっとった。

そこにとどまるのが必要なように感じとった。

このクソみたいな知覚やけど、
相手と二人でおること、
そのことの向こう側に
何かこのクソみたいな知覚とは違う、
それを超えた何かがあるのが感じられとった。

それを感じときたいと思った。

このクソみたいな知覚じゃけど、
それでもこうして二人でおって、
何が出てきてもええってあきらめとって、
沈黙しようが罵ろうがどうでもええような状態。

その空間の奥に、
何か、ほんとうの何かがあるように感じられとった。

これが
父との関係にかかわらず
わしのあらゆるクソみたいな知覚のなかで、
そこを超えて感じていきたいことなんじゃ、
と思った。

そのことを
父との関係のなかで感じさせてもらえとる。
今。

そのことを
具体的な関係のなかで
感じさせてもらえることが
とてつもなくたすけになると感じさせてもらえた。

エスちゃん、
こんなことになるとは思わんかったわ。

父との関係が、
こんなにもたすけになるものになるとは思わんかった。

ありがたいとかありがとうとかいう言葉じゃ追いつかん。

なんて言えばええんじゃろうの。